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その考えは、
ーーきっとこれからも変わることはないだろう……。
けど、
今までの俺の遣り方は、
『医者の不養生』を絵に書いたようなもんだったかもしれない。
慌ただしい診察の時間に追われ、
新しい症例や治療法の勉強に殆どの時間を費やしてきた。
それを言い訳に……食事なんて不規則だったし、
睡眠時間を削ることも日常茶飯事だった。
ここ最近、
急患が続いていたから、
芽依に余計な心配をかけてしまったんだろうと思うけれど。
芽依の言う通り、
そんなことばっか遣ってると、
芽依を幸せになんてしてやれねぇし、
救えるもんも救えなくなっちまうよな?
身体が資本なんだもんな……。
こうやって、
芽依のお陰で考えを改めた俺は、
「芽依、心配してくれて、ありがと。
今日は一緒に、ゆっくりランチでも食いに行くか?」
「ううん。
……え、海翔と一緒にランチ? 行く!行く!」
さっきまで泣きそうだったのが嘘みてぇに、
とっても嬉しそうにハシャグ芽依と一緒にランチへと繰り出した。
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