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芽依が以前勤めていた松岡フーズの近くにあるカフェでランチを食うことになってしまった。
普段、わざわざ店に出向いて食うことのない俺。
ランチの旨い店なんて知ってる訳もなく……
『ランチが美味しいって評判のカフェがあるの。
いつも工場で作ってるお弁当しか食べてなかったから、一度食べたいなって思ってたの』
っていう芽依の一言で決まったのだった。
アイツ(松岡直樹)に会ったりしないだろうな?
まぁ、別に俺は、アイツに会ったからってどうもしねぇけど……。
アイツが芽依の見舞いに来たとき気づいたことだが、
芽依は、アイツの気持ちに気づいていないようだった。
だから、とっても嬉しそうに、
『主任、仕事辞めても結婚式に呼びますから。絶対、来てくださいね』
なんて、松岡に言ってたくらいだ。
それを、見かねた俺が、
『しのさんのこともあるし、内輪だけにしようと思ってる』
そう言って、フォローしたぐらいだった。
俺がもしアイツと同じ立場だったら、
『そうか……そりゃ残念だな?』
アイツみたいに、
本当に残念そうな素振りなんてできないって言い切れる。
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