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そんなバカな女の役目は、
呆気(アッケ)なく終わってしまうことになっちゃったんだけど……。
まさか、
あんなどこにでもいるような子供みたいな女に盗られるなんて思いもしなかった……。
こんなの、
納得なんてできる訳がない……。
あんなに逢わないって言ってた姉さんのとこにだって一緒に連れてくみたいだし。
それも、
正式な婚約者として……。
ずっと姉さんのことが好きだったんじゃなかったの?
あたしホントにただのバカじゃない。
もう、
何がどうなってるんだか意味が全く解かんない……。
あたしのどこがあの子に劣ってるっていうの?
「ねぇ、憲(ケン)ちゃん。
あたしって、そんなに魅力ないのかな?」
「ハハ、なんだよ?
珍しいな? いつも自信満々のお前が……。
もしかして、失恋でもしたか?」
乾いた笑い声が耳に流れ込んできて初めて、
弱気なことをつい漏らしてしまったことに、
やっと気が付いたバカなあたし。
こんなヤツにそんなこと言っちゃったら、
勘繰られちゃうだけなのに……。
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