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失恋もそうだけど、
大事な人とのお別れって、
どうしてこんなにも突然に訪れてしまうんだろう……。
いつかは、
その時が来るって解ってはいても、
どこかで、
そんな日が来る訳ないって思っているからなのかな?
あの日も、
いつものように撮影が終わって、
事務所へ帰る途中の車の中だった。
颯介さんからの電話によって、
姉さんの訃報を聞くことになったのは。
「……そう。
解った。なるべく早くそっちに向かうようにする。
じゃぁ、うん、ありがと。
颯介さんこそ…」
特に取り乱すこともなく、
普通に話して電話を切ったのに、
「リカ、今のって、お義兄さんだよな?」
「……」
「おい、リカ?」
電話を切った途端に、
頭の中が真っ白になってしまった。
このところ、
仕事が忙しかったからかも知れないけれど、
その時のことはあまり良くは覚えていない。
もう助からないと解ってはいたけど、
自分で思ってる以上にショックが大きかったようだ。
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