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それをなんとか誤魔化すように、
「……そんな訳あるわけないじゃないっ!」
いつもの強気な口調で言い放った。
「まぁ、いいけどさぁ……。
まだ撮影残ってんだし、しっかり仕事してくれよな…」
けど、
この男がそんなことで誤魔化される訳もなく……。
いつものように、
何もかもを見透かしたような表情で、
さり気なく仕事モードに切り替えられてしまった。
あたし、どうしちゃったんだろ?
こんなのあたしらしくないじゃないのよ。
あー、もう、イライラする。
「解ってるわよ!」
「だったら、今夜はちゃんと睡眠とれよな? 少し顔色悪いし、メイクののりだってイマイチだったし……。お前、この仕事何年やってんだよ?
明日は大事な撮影があるんだし。いいな?」
つい、
苛立ちをぶつけてしまったあたしは、
またまたマネージャーである桐谷憲一郎(キリタニケンイチロウ)に、
弱いところを突かれてしまうことになってしまった。
こんなの、
いつもはうまくかわせてる筈なのに……。
ホント、あたしらしくない……。
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