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午後の撮影も問題なく終えて、
事務所に戻って雑誌の取材をいくつか受けて、
いつもより早く本日の仕事が終わった。
そして、
現在憲ちゃんの運転で自宅のマンションへと送って貰っている。
事務所を出て暫くして、
ぼんやりと後部座席で窓の外の流れる景色を眺めていると、
運転席の憲ちゃんからミラー越しにチラッと視線を向けられた。
「お姉さんのところには行かなくていいのか?」
「……え? あぁ、うん。また今度にする……。
もう、憲ちゃんが今夜はちゃんと睡眠とれって言ったんじゃない」
「ハハ、そうだったな?」
「そうよ」
正直、
病気で弱ってく姉さんの姿を見るのが怖いっていう想いもあったんだけど、
それよりも、
姉さんの居る病院にはあの子が入院してるから、今は行きたくなかった。
でも、
数日後に、
憲ちゃんの言う通りにしてれば良かった……そう後悔することになる。
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