*小さな幸せ*

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海翔と籍を入れてからは、 海翔の実家であるマンションで暮らすようになった。 前のアパートの方が病院には近いんだけど、 それだと、ミルクと一緒に暮らすことができないからだ。 私と海翔にとって、 ミルクは私たちを巡り逢わせてくれた大事な子だから、 ミルクにはずっと傍に居て欲しいって思っている。 それに、 海翔が獣医師の勉強のために書斎にこもってる間は、 いつもミルクが私と一緒に居てくれるし。 本当に私たちにとってはペットなんかじゃなくて、 とっても大事な家族の一員になっている。 もう大人になったミルクは病院でもマスコット的存在で。 たまには、 診察に来た動物の飼い主が若い女性だったりすると、 なんだかちょっと不機嫌になることもあるんだけど、 いつもは私たちのことを窓際から静かに見守ってくれている。 私たちには、 ミルクが傍に居ない生活なんてもう考えられない……。
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