2632人が本棚に入れています
本棚に追加
「雛森。俺、今から出るんだけど、もし森本先生から連絡あったら知らせてくれる?今日伺うから、先生の都合のいい時間だけ聞いておいて」
「森本先生ね。了解」
神崎くんがホテルで私を待つこともなくなった。ということは、必然的にアパートに来る理由もなくなった。
彼が冷蔵庫に作り置きしていた料理やホットケーキは残りわずか。
「いってきます」
「いってらっしゃい」
その代わり。といっていいものかどうか分からないけれど、朝、出勤すると私のデスクにはプチトマトとヨーグルトドリンクが置かれていた。
日によってプチトマトは色を変え形を変え、ヨーグルトドリンクは味を変えて置かれている。
捨てるわけにもいかないから仕方なく口に運ぶけれど、いい加減食べ飽きたんじゃないか。とか、気にしたりしないのだろうか。
「……」
かと言って、料理を作りに来られても困るんだけど。
最初のコメントを投稿しよう!