第9話

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A4サイズの封筒。 封は開いているものの中身は飛び出さなかった為、それが何なのかは分からない。 「……」 軽く痛む左頬に手をやり、私の目の前に立つ人を足元からゆっくりと見上げていった。 ヒールが低めの白いパンプス。 シワのない白いパンツ。 淡い水色のストライプのシャツに 趣味の悪いスカーフ。 「……」 「……」 無礼を詫びることもしないその人は、何かに気がついた私を無言で睨みつける。 まさか。と、思った。
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