第9話

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『まさか』『でも』『どうしてこんなところに』 そんな言葉が頭の中に浮かぶ。 「……え?…あ、っちょ」 無言で見つめあう私達に代わり、ハッと我に返った飯山さんが声を発する。 「ちょ、ちょっと!あ、あなた、ど、どちら様ですか?なに、なにするんですかっ!? 」 動転しながらも彼女と私の間に立ち、見知らぬ人物に突然封筒で顔をぶたれた私を自分の背中に隠す飯山さん。 「雛森さんっ、だいじょ」 振り向いて私に尋ねるものの 「部外者は引っ込んでて!」 「きゃあっ!」 怒りを露にした彼女に突き飛ばされ、私の前からほんの一瞬だけ姿を消した。
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