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あんなに濃密な時間を過ごした割には、随分あっさりした幕切れだった。
飽きられた。とは思っていない。
私をいざこざから遠ざける為の手段だと思っている。
「雛森くん、池永先生から頼まれてた件。分かった?」
「はい。調べてみたんですけど、池永先生がおっしゃっているのは多分このメーカーの物かと」
第三者から見れば、何ら変わりない私達。
「あー…なるほどな。じゃあ、池永先生に確認して、これで良かったら発注するから」
だけど、確実に変わった。
それは当人達にしか分からない。
「承知しました」
人目を忍んで耳打ちをされることも、秘密のメモを渡されることもなくなった。
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