第9話

21/38
前へ
/38ページ
次へ
「……」 かけられた言葉に何か答えようと思い、口を開きかける。 「赤西さん、こちらへ。お話は上で伺います」 けれど、また別に近づく声にそれを阻まれ、口を開きかけたまま視線をそちらへと向けた。 「雛森は俺が連れていきます」 「そうですね。飯山さん、雛森さんの荷物を持ってきてもらえますか?別室で休ませますので」 私の横で床に片膝をつき、顔を覗き込む神崎くん。 その彼の後ろで控え、淡々と会話をするのは、警備員室に向かう途中の飯山さんを捕まえた乾課長。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2631人が本棚に入れています
本棚に追加