第9話

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「あ。……えっと、……はい」 「お願いします」 ここで止まったままだったエレベーターの扉を開けると、されるがままの飯山さんをひとり乗せ、上へあげた。 変わる階数表示を見上げながら、……ふと疑問が浮かぶ。 何故、乾課長まで。 次々と変わる状況に頭が追いついていかない。 当事者の私でさえこんな状態なんだから、何も知らずに巻き込まれた飯山さんはもっと混乱していただろう。 そう考えると、彼女をこの場から遠ざけた乾課長の判断は正しい。
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