第9話

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笑顔だった。 「なんですって?意味なんて」 「彼女を傷つけておいて、謝らない。という理由です。分かるように説明していただきたい」 だけど、声色はひどく冷たかった。 「あなた」 「神崎です。部長にはいつもお世話になっております」 感謝してる。なんて態度じゃない。 「神崎……」 「それから」 『神崎』という名前に反応した奥様には気がつかないフリをして、スッと視線を外し、言葉を続ける彼。 「彼女が部長の不倫相手である。という根拠です」 腕を引いて私を立ち上がらせ、側に落ちていた封筒を拾い上げた。
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