2631人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
「別の出入り口から出たんじゃないですか?あとは、変装してたとか。しようと思えばいくらでもできますよ、カモフラージュなんて」
「毎回?」
「えぇ」
「帰りだけ?」
「えぇ」
「なるほど。でも、残念ながらハズレです。奥様」
そう答える神崎くんは、さも楽しそうに笑う。
「彼女は」
私には、彼の意図に心当たりがあった。
「僕と一緒だったんです」
『だから』だったんだ。
彼の、あの理解不能な行動はーー
最初のコメントを投稿しよう!