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教壇の前に立ち、その影から頭だけを覗かせて仁王立ちしているそいつは、不敵な笑みを浮かべてそんなことをのたまった。
「なっ! ちょっと千影! リークっていったい誰に? っていうか、どうしてあんたが――」
憤る真弓を見取は片手でちょんちょんと制す。
「まあまあ、真弓ちゃん。落ち着くっす。ふふん、実は自分は前から写真部さんの活動が怪しいと思ってたんすよ。そして今日、決定的な証拠を手に入れちゃったんすよねぇ。何でもオオカミが出たとか」
こいつ……まさか、あのとき屋上にいたのか!?
「ボイスレコーダーで、今さっきの会話もいただいちゃったっすよぉ。準備いいっす? 自分、これでもプロ目指してますんで!」
くそ。やられた。
「まさか、このことを校内新聞に載せる気?」
「いやいや、そんなことはしないっすよ。自分も皆さんとは古い付き合いっすからね。ただ、このままじゃいけないと、自分は思うんす。だから、ここで特別ゲストに登場してもらうっす」
特別ゲスト?
「あ、ちなみに、自分がチクッたのは、先生にだけっすから」
「先生!?」
見取の言葉に入口に目を向けると、驚く僕たちを見据えるようにしながら、涙を目にいっぱい湛えた写真部顧問、美咲先生が教室に入ってくるところだった。
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