第3章

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「てぇ…花畑見えたぜ」 「俺なんか死んだバアさんがスコーン焼いてたぜ?アレ食ってたら死んでたな、多分…」 「ははっ…なんだよソレ」 「へへへ…いてててて」 出し切った--互いに鈍ったところの見れない、昔と変わらない良いケンカが出来た。痛みは酷いし疲れもどっと出たが、どこか心地良い…明日はゾンビ顔負けのツラになってるだろうな。 「…よぉ、ジャスパー。新しい仕事探すんだろ。良かったら俺のギルドで働かないか?」 「あん?お前、起業したのか?ってことはリッグが社長?はははっ!似合わねーっててて…」 「骨に響くくらい爆笑すんなよ、これでも最近はギルドマスターとして少しは箔が付いてきたんだぜ?」 俺達の築いてきた実績、これからの目標。話を聞き終えると、まだどういった仕事なのか明確に把握出来ていないようだが、それでもジャスパーは二つ返事で了承してくれた。なんでもギルドの話をする俺の顔がケンカしている時のように活き活きしていたから興味が湧いたとか。 「つーわけで厄介になるわけだけどよ、仕事始めは暫く待ってくれねぇか」 「そりゃ構わないが、何か用でもあるのか?」 「んー、用ってかケジメだな。なに、そんな時間は取らせねぇよ…」 俺達の会話の途中、突如甲板を囲う笑い声が響き合う。 『はぁーっはっはぁ!残念ながらその約束はもう叶わん!お前達はここでお仕舞いだぁ!!』
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