第2章

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あの後街に戻ると、小太りのおっちゃんがそれはもう大層にキマイラとの激闘の様子を物語ってくれたおかげで、俺はすっかり街の英雄扱いとなりどこに居ても酒とご馳走を振る舞われた。 働き詰めの上キマイラとの戦闘が重なり、腹と背中がくっつきそうだったのが、今じゃ腹の皮がはちきれそうだ。それでも壁の補修はしっかりさせられたけどな。 そうそう、その作業だが、当初は一週間の労働契約だったのが、当の脅威であったキマイラを俺が倒してしまったので、防壁の復旧をそう急ぐこともないだろうと仮組みの段階で作業は終わり、結局トンボ返りする羽目になった。 違約金という形で少しばかり賃金に上乗せしてくれたが、とてもじゃないがキマイラを討伐した労力には見合わない。全く、骨折り損のくたびれ儲けとはよく言ったものだ。 まぁ、なんにしてもここでやる事はもうやったし、そろそろ帰るとしよう。俺のギルドへ。
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