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峰さんには言えないし。
あたしも梶くん好きだなんて。
しかも阿部くんと口止めとは言いながらしてしまったことには変わりない。
あの一回で終わったとあたしは思っていたのに。
「ね、阿部くんやめて。」
「なんで?」
「もうこの間ので最後。」
「やだ。あいつにはたくさんしてるんだろ?」
「それは………好きだから。」
「じゃあ知られたらヤバいんじゃない?」
「脅すつもり?」
「二階の更衣室の横に使ってないシャワー室あるから休憩にきなよ。」
「いや。あたし行かない。」
「梶に言ってもいいの?」
「………………。」
あたしは仕方なく休憩時間になると二階シャワー室に行った。
「痛い………。阿部くん強くしないで。まだ、入らないよ………。」
「それは柏木さんが俺を拒否してるからだろ。」
阿部くんは無理やりねじ込もうとする。
「痛い!やだ。」
あたしは阿部くんを突き飛ばした。
ドンッ
「イテェ~………。テメェ!!」
パシッ
頬を強く殴られた。
あたしはシャワー室で泣きながら梶くんに電話しようとした。
無理やりされた身体は血が出てきていた。
こんな姿、やっぱり見せられないよ。
ドンドン
へ?だれ?まさか阿部くん?
「誰かいるんですか?ここは立ち入り禁止ですよ。」
ちがう。
あたしはホッとした。
ガチャ
「わ!あ、あれ!柏木さん?」
「あ………。響くん。」
「ど、どうしたんですか?」
響くんはうちの雑貨屋の隣の靴屋のアルバイトくん。
「お、おれ、救急車呼んできます。」
あたしは、走り出しそうな勢いの響くんの腕を強く掴んだ。
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