第3章

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最初はキスから始まって だんだん、エスカレートしていった。 「はぁ……はぁ……はぁ……。」 あっちの息づかいが荒くなった。 あたしも自分の指がおかしな方向に行きはじめて、 でも、浮気してるわけじゃないし、気が楽だった。 「はぁ……はぁ……柏木さんに触れたい。」 「ダメ。」 「柏木さん、はぁ……はぁ……。」 「あたしも、身体が欲してるよ。はぁ……はぁ……でも、やっぱり彼氏は裏切れない。」 「彼氏に内緒にしましょうよ。」 「え。」 「身体の関係だけでいいですから。」 「で、でも。」 「こんなにお互い、欲しがってるのにできないなんておかしくないですか?」 「で、でも。無理だよ。」 「車で行きますから。遠くでしましょう。見つからないように。」 「車で?」 「そう、車で。僕の車、大きいですから。」 「…………どうしよう。」 「僕たち、すごい身体の相性いいと思いますよ。」 あんなに決めたのに。 梶くんだけッて決めたのに。 あたしは上着をきて、近くのコンビニで待った。 するとワゴンが駐車場に入ってきて、運転席には安池くんがいた。 「こんばんは。」 「こんばんは。」 「この近くに夜景のきれいな場所あるんですよ。」 「……でも、やっぱり帰ろうかな。罪悪感がこみ上げてくる。」 安池くんが手を握ってきた。 「大丈夫。心は我慢しますから。」 「…………。」 後部座席にうつると安池くんは力強くあたしを抱きしめ脱がし始めた。 「柏木さん。綺麗だ。僕の夢が叶った。今、目の前にいるのが、信じらんない。」 「大げさだよ。」 「こんな、セクシーな下着着けてるんですね、売り場でこれから想像しちゃうな。」 こんなに誉めてもらえるなんて 照れ臭い。 ゆっくりとあたしを味わうように優しくキスする。 こんなに大事にされるなんて。
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