第3章

7/10
前へ
/39ページ
次へ
「はぁ……はぁ……柏木さん、僕をもっと欲しがって。遠慮しないで。」 あたしは、腰をふっている自分を信じられなかった。 「柏木さん、いやらしい。はぁ……はぁ……アッアッたまんねえ。」 ワゴンは大きく揺れて、やがておさまった。 「柏木さん、寂しいときはいつでもLINEしてください。僕、飛んでいきますよ。」 一言いわれて、コンビニで別れた。 そのあとにくる罪悪感が凄かった。 でも梶くんとは違う言葉や態度が優しくて 心地よかったのも確かだった。 その後、梶くんに会えない日がまたあって 安池くんにLINEしてしまった。 安池くんはすぐ迎えにきてくれた。 いつもの夜景のきれいな場所に向かう途中の車の中で、我慢できなくて 安池くんがあたしのスカートをまさぐってきて ドキドキした。 赤信号になると触れてくる。 やめてって言ってもやめてくれない。 わざとスカートをはいてきてるあたしも どっかで期待している。 前から梶くんのトラックに似ているのが来ると顔をそむけた。 なんでLINEしたんだろう。 「すごい、すごいよ。今日、柏木さん。」 「さっき、赤信号の度に触るからでしょ!やめてって言ってるのに。」 「感じてるんだね。良かった。」 「いい?」 「う、うん…………。」 クチュ…………クチュ………… 「ア……ア……」 小さな吐息が漏れる。 安池くん、2回目なのにもうあたしのことわかってる。 「すごい、柏木さん。もう……こんなに……。」 「いや、恥ずかしいからやめて。」 「僕、やめないよ。もっとしてあげる。」 「アアッ……!」 その時、あたしのスマホがいきなり鳴り始めた。 この着信音は 梶くんだ。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

36人が本棚に入れています
本棚に追加