第1章

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あたしは梶くんと倉庫の奥に隠れた。 「あ、あの。」 梶くんがあたしの顔を覗き込んだ。  「あ、あ、ごめんなさい。つい。何も隠れることなかったね!」 でも、あんなとこ見られたらみんなになんて言われるか。 「い、行こうか。もういないみたいだし。」 あたしは立ち上がった。 ガシッ    梶くんがあたしの腕を掴んだ。 「え?」 「この後、俺、配達ないんです。」 「え、え。」 あたしはうろたえた。 「柏木さん、俺を誘ってる?」 「え!ちが、あたしはその。みんな梶くんのファンだから一緒にいたらマズいと思って。」 「柏木さんは?」 「え、あ、あたしは。」 やめて そんな顔で見ないで。 「こっち……きて……。ひざ、ついて……」 あたしは言われた通り、ひざついて梶くんの近くに寄った。 やだ、うそ。 迷ってる間に梶くんの顔が近づいて あたしの唇に キスを優しくした。 チュッ ああ。もうだめ。 力が抜けちゃう。 こんな夢みたいなこと。 「ひざ、乗っていーよ。」 梶くんはあたしを軽々とひざにのせた。 チュッ チュッ キスの連続。 唇だけに短いキスを何度もしてくる。
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