第1章

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あの出来事の後、あたしはすぐにランジェリーショップにかけこんだ。 でも、準備万端にしてきた日に限ってあたしにはチャンスがなかった。 梶くんが来ると荷受けはすぐに取られた。 せっかく会えても近くに誰かいるから話せないまま1ヶ月過ぎた。 下着、意味なかった。 この前、しとけば良かったなんて。 考えてしまったり。 あたし、飢えているだけね。 梶くんじゃなくても いーのかもしれない。 「これ、プレゼント用で包装してもらえますか?」 「あ、はい。かしこまりました。では、包装紙のお色をお選びくださいませ。」 あれ、この人。 俳優の……黒木春斗? いや、そうだ。間違えない。 店長が言ってたけどこのモール、芸能人来ると言ってたな。 普通にしなきゃ。 かっこいいし、ファンだけど。あっちはプライベートだし。 あたしは大人だし。仕事中。 「あ、ありがとう。こんなに可愛く包装していただき。」 「いえ、いえ、気に入っていただき、良かったです。」 何だ、いい人だ。 「また、次もここにきます。」 「ありがとーございました。」 黒木春斗はゴキゲンで帰っていった。 そんな対して凝った包装してないけど。
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