第1章

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数日後、黒木春斗が閉店間際に急いで入ってきた。 「しょ、小学生が喜んでくれるものありますか?この後、先輩の子供の誕生日パーティーが、ありまして!」 めちゃくちゃ急いでる。 「えっと、シールブックなんてどうですか?」 「お、お任せします。これで買えるだけお願いします。」 「え~!」 閉店間際だってこともあって、黒木春斗からもらった一万円のおつりとプレゼントを持って駅前で待ち合わせした。 「すみません!こっち!」 「お待たせしましたー!」 「すみません。ムリに頼んで。」 「いえいえ。早く行ってください。これ、プレゼントとおつり。」 「この後、用事なければ一緒に行きませんか?パーティー。」 「え!あたしみたいな一般人が?」 「あ、やっぱりバレてました?顔。」 「ええ。まぁ。」 「いいから、タクシー乗ってください。」 そのパーティーは夢のようだった。 大物歌手、大物俳優。 大きなお家で大きなパーティー。 芸能人、すごいな。 黒木春斗はあたしが孤立しないようにずっと側にいてくれた。 いいやつ。    
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