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学園を出て20分程でギルドの前に着いた。
陽は既に落ちてしまい、辺りは薄暗い。
そして路地に入った瞬間。
私は二人組の男に腕を掴まれ、そのまま路地の奥へと連れて行かれた。
何が起こったのかわからなかった。
突然腕を掴まれ、路地の奥へと連れ込まれた。
男二人は帽子を深く被っていて、サングラスを付けている為顔はわからない。
だがしかし、体つきは屈強だ。私がいくら抵抗しても力では勝てないだろう。
「かなり上玉だぜ!こりゃいい稼ぎ頭になるな!」
「でも顔が良くてもあっちのテクで客を満足させらんなきゃダメかもしれねぇぜ?」
「そりゃ違いねえ。働かせる前に俺等で仕込んでやるか!」
「うひひ。その言葉を待ってたんだよ!早い所人目の付かないとこまでいってやっちまおうぜ」
男二人の下種な笑い声が響く。
稼ぎ頭や仕込む等のワードから、恐らくこの二人は私に客を取らせて金儲けをしようと目論んでいるらしい。
それだけは絶対ゴメンだ。
初めては好きな人としたいし、色んな人相手とするのなんて絶対イヤ。
私は足に力を入れる。突然の抵抗から、私の腕を掴んでいた男は驚嘆の声をあげる。
「抵抗すんじゃねえぞ!」
「いやぁ!離してください!」
「口を塞げ!邪魔が来ねえうちに連れてくぞ!」
大声をあげてみるものの、すぐに男の手により口を塞がれてしまう。
結構な声量を出したから、きっと誰かが助けに来てくれる。
必死にもがきながら、私は希望を捨てなかった。
――そして、彼が来た。
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