第二話

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アリスが去り、静けさを取り戻した部屋で一人考える。 学園。俺と同年代の奴等が沢山集まっている場所。 俺は勉強なんて全くしたことがない。何せ、この世界の一般常識すらまともに知らない。 初等部から通い続けている者や、高等部から通い始めた者も居るだろう。 前者はそれまで勉強してきた知識があるし、後者も卒業の為にそれまでの期間勉強をしていたに違いない。 「勉強に満足に付いて行けず浮きそうだな」 それも悪くない。 畏怖され、恐怖の対象だったのが今度は嘲笑の対象になるだけだ。 それに、昔もそうだった。俺は周囲から嘲笑され虐げられていた。 「ま、なるようになんだろ。退屈しないですみそうだ」 そう言って、俺は目を閉じ考えることを止めた。 二度寝するつもりはなかった。寝直したいとも思っていない。 だったのだが、目を閉じている内にどうにも眠気が襲いかかってきたので、俺は抗う事をせず意識を手放した。
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