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「そういえば、私の父がヴァイスさんにお会いしたがってます。ですから今日学園が終わったら、一緒に私の家まで来てもらえませんか?」
「面倒だから断る」
「お願いします!父がどうしてもというんです!」
「お前の父がどう思っていようが、俺には関係ない。大体何の用がある」
「私も詳しく聞いていませんが、学園での手続きに関することと、私を助けていただいたお礼がしたいそうです」
まいった。
助けた娘の父からの用件なんて礼が言いたいだけとかそんなんだろうと思っていたが、学園に関する事と言えば話は別だ。
よく考えれば、あの時間既に陽は落ちていた。
それにも関わらず翌日から学園へ通わせるというかなり急な手続きをしている。
加えて、こいつらは俺の事を名前と年齢以外何も知らない。
恐らく名前だけで手続きを通して、詳しい事は会って直接話を聞いて、というところか。
もしかしたら学園のお偉いさんなのかもしれない。
「わかったわかった。行けばいいんだろ」
「はいっ!」
俺の言葉に対し、途端に表情が笑顔になるアリス。
そんなに嬉しいもんか?俺にはよくわからん。
本当は今日学園が終わったらギルドに出向いてみるつもりだったが、この分じゃギルドは明日だな。
その後はアリスの話に俺が相槌を打つというのを繰り返しながら食事を続けた。
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