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「全く…。まぁ、こんな奴だが仲良くしてやってくれ。ヴァイス、お前は窓際の一番後ろに座ってくれ」
「わかった」
「先生ちょっと待ってよー。少しくらい転入生への質問コーナーとか設けてくれないわけー?」
「そうだぜ。それくらいいいじゃねーか」
「次ギムナス先生の授業だし多少はいいじゃん」
席へ向かおうとしたら生徒からそんな声が上がる。
質問?めんどくせぇからやめてくれ。
どうせくだらない質問しか来ないんだろ?今日朝食べた物とか、パンツの色とかそんなんだろ?
「ったく…しょうがねぇなぁ。少しくらい時間取ってやる。質問ある奴は挙手しろ」
次の瞬間、半数以上の生徒の手が挙がる。
一体なんなんだ、何を質問する気だこいつら。
「武器は何を使ってるんですかー?」
「相手を殴る為の…右手…あとそのための拳?だ」
「魔力はどれくらいー?」
「1日の平均排尿量くらいだ」
「好きなタイプは?」
「特にないな」
案の定くだらない質問ばかりだ。
適当に答えているが、次から次へと手が挙がってキリがない。
それを見かねたのか、ギムナスが助け船を出してくれた。
「お前ら質問多すぎだ!次の奴で最後だ!最後は…ん?ソル、お前さっきまで手を挙げてなかったよな。じゃあソル、お前で最後だ」
ソル。
その名前を聞いた瞬間、俺の頭の中に一人の姿が浮かぶ。
両親に愛されていた少年。
俺を地べたに這いつくばる犬畜生を見るような目で見ていた少年。
ストレスが溜まった時、容赦なく魔法を放ってきた少年。
新しく覚えた魔法の実験台と称して魔法を放ってきた少年。
自分の、双子の弟であった少年。
「ギムナス先生、ありがとうございます!えーっと…ヴァイスくんだったよね。魔法の適正属性は何か教えて貰ってもいいかな?」
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