第二話

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人には適正属性というものが存在する。 これを説明するにはまず、魔法の属性から説明しなければならない。 現在存在する属性は4種類。 地水火風…4つの属性だ。 これらを上手く扱うには、魔法の才能というのも大事だが、一番は適正属性であるか否かだ。 適正属性の魔法なら、才能が無くても中級魔法程度なら問題なく使える。 そこから鍛錬を積めば、上級の魔法を使うことも難しくはない。 反面、適正でない属性は鍛錬を積んでやっと中級を何とか使える程度だ。 適正属性は人によって異なり、その数も異なる。 火が適正な人間も居れば、水と風が適正な人間も居る。 「人のルーツを話すということは、ある種弱点を露呈することにも繋がる。だからその質問には答えられないな」 「そうか…それもそうかもしれない。無粋な質問をしてすまない」 ソル、と呼ばれた少年の顔を見る。 その表情は納得していないようだったが、食い下がっても無駄だったと判断したのか。 しかし、ソルの顔は自分の記憶にある少年の顔と同じだった。 成長していて多少大人っぽくなってはいるが。 幼少期と同じく金髪のツンツン頭に黄色の目。 非常に整った容姿だ。学園内ではさぞかし黄色い声を受けていることだろう。 「もういいか?」 「あぁ。席に着いてくれ」 ソルで最後と宣言した以上、俺が答えても答えなくても質問コーナーとやらはこれで終いだろう。 俺は今度こそ席に着いた。
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