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「ヴァイスくんとは色々あってね。私がヴァイスくんの初めてのお友達なんだよーっ!」
「嘘だな、俺はお前と出会う前にフルーツ・オ・レって奴と友達になっている。お前は810番目の友達だ」
「えっうそ!?初めてだと思ってたのに!?」
「はは。二人は仲が良いんだね」
俺とアリスのやり取りを見て、ソルが笑って言う。
何処が仲が良いのか不思議でしょうがない。
アリスにとっては友達らしいが、俺にとってアリスは友達でもなんでもない。
「ヴァイスくん、さっきは無粋な事を言ってすまなかったね」
「いや。気にはしていない。だが、機会を改めても俺は自分の適性属性を話すつもりはないぞ」
「君から聞き出すのは無理だと思ってね。だからこそ誘いに来たんだよ」
「誘い?なんのだ」
「体術の授業、今日は二人一組で模擬戦をするんだよ。それで、僕の相手をしてくれないかな…ってね」
「そうなのか。しかし…模擬戦なんてやるにしても出来る数が限られているだろう?授業は1時間50分だと聞いているが」
「心配ないさ。今日は1時間目から6時間目まで全て体術…模擬戦だ。来月からクラス内の対抗戦が始まるだろ?その為に体術の授業が多めに組み込まれているんだ」
朝アリスから聞いた対抗戦。
それのチーム決めの為の対抗戦が来月に行われるのだろう。
なるほど、それで模擬戦か。
「そうか。だが悪いな、俺は適当な奴を捕まえてそいつと模擬戦をやることにする。…流石にいきなりクラスで一番強いお前と模擬戦をするのは気が引ける。…それだけなら、俺は行くぞ」
ソルと一緒に居ると正直な話気分が最悪だ。
どうやら相変わらず才能に恵まれていて、身体能力、魔法共にかなりの強さでこのクラスで一番強いだろう。
俺は失言したことに気が付かず、二人を置いて歩き出した。
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