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ソルから逃げるようにして二人の元を去った俺は、コロシアムの場所がわからない為先程教室を出て行ったクラスメイトの後に続いていた。
幸い、クラスメイトはだらだらと移動していた為すぐに追いつく事が出来た。
一人寂しく移動するのも悲しいので先を行くクラスメイトの誰かに話しかけてみるか。
俺は足を速め同じく一人で移動していた奴の襟首を掴んだ
「おい」
「うわっ!?い、いきなり何するんだ!」
「お前、俺と模擬戦組まねぇか?」
ヴァイスに襟首を掴まれた少し太めの少年は、突然の事態に驚愕の表情を浮かべながら振り返る。
「誰かと思ったら転入生じゃないか。僕と模擬戦を組みたいだって?」
「あぁ。転入してきたばかりで組む相手が居ないんでな。で、どうなんだ?」
「組んでも構わないが、泣きを見ても知らないよ?僕は未だ模擬戦で負け知らずのマリピエーロ様だぞ?」
「お前、強いのか」
事実かどうかはわからないが、マリピエーロは弱い。
ヴァイスはそう感じ取っていた。
ソルの実力の半分にも満たないだろう。
事実だとしたら、余程弱い相手と模擬戦をしてきたのだろうか。
「少なくともキミよりかは強いと思うよ」
「ははっ、そうか。それは楽しみだ。相手頼むぜ?」
「僕も今日組む相手を決めていなかったからね。キミと組ませてもらうよ、転入生くん。そういえば自己紹介がまだだったね。僕はマリピエーロ・シュトラウスだ」
「俺はヒミコだ」
「キミ、自己紹介の時ヴァイスと名乗ってなかったかい?」
「そういえばそうだったな」
「まったく…ふざけた人間だなキミは」
呆れ顔のマリピエーロ。
それもそうだろう。ヴァイスという人間は基本ふざけている。
真面目に相手するだけ無駄なのだ。
「それが俺の長所だ」
「それは長所とは言わないがね。…で、キミは自己紹介の時に適正属性を言わなかったが…適正属性はなんなんだい?」
「それを聞いてどうする」
「対戦相手の情報位少しは知っておきたいだけだよ。因みに僕は風と地属性だ」
「あの時も言ったが人のルーツを話すということは弱点を露呈することに繋がる。お前が言うのは勝手だが、俺は話すつもりはないな」
「答える気はないわけかい?」
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