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「うわかなりの上玉じゃないですか!本当にいいですかい?好きにしちまっても」
「構わん。どうしようと貴様等の自由だ。生かすも殺すも好きにするがいい。その代わり…わかっているな?」
「わかってやす!俺達"牢獄"の人間は金輪際クレスタの町には手は出しやせん。食料は他の町からかっさらってくりゃいい話ですし、男とはいえこんな上玉好きにできんなら安いもんですわ」
イミガワカラナイ。
好きにする?自由?生かす?殺す?
父の指す約束の物というのは僕の事なんだろう、というのは理解出来たが、彼等の会話の内容まではまるで理解できなかった。
怖くて震えた。
僕を囲むようにして立っている3人の男。
嫌悪感を覚える笑みに、厳つい風貌。
「父さん…ど、どういうこと?この人達、だれ?約束ってなに?僕はどうなるの?」
「口を開くな。貴様はただ黙って流れに身を任せていればいい。そこに疑問を覚える必要はない。だが一言いうなれば…私では価値を見出せなかった貴様に、そこの男達は価値を見出した。だから貴様をそこの男達に受け渡す。それだけのことだ」
父はそういうと、踵を返す。
遠ざかって行く父の背中。
僕は立ち上がり追いかけようとしたが、男達がそうはさせまいと僕の腕を掴んだ。
「暴れるなよ…暴れるな」
「ガキが大人3人に勝てるわけないだろ」
「抵抗しても無駄だからな」
僕は一人の男の肩に担がれる。
父の背中は尚遠退いてく。
必死に助けを求めても、父は振り返らない。
僕は悟った。
僕は、父に捨てられたのだと。
そして僕は、嬲られ、犯され続けた。
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