第1章

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時は私に何時も 悲しみを運んでくれる 春の暖かい木漏れ日の中で 私に忘れないでと 悲しみをまた連れてくる 時はめまいを一緒に めまいを100万回毎に 大きな翼で運んでくれる 今年もまた 私に忘れないでと 春の昼下がり遠のく意識 ふと気付くと床に倒れていた どこの病院でも 訳の分からないめまいを 悲しみの中で運んでくれる 朝食の終わりまでは 憶えていたけれど ふと気付くと自分のベットの中 時計の針は11時 部屋中に響く呼び鈴の音 めまいの中 ドアまでたどり着き開けると 安否確認の声 そう、グループホームの中 一般の部屋には入れない私 そう、去年の春の話 100万回毎の繰り返し 時は私に何時も 悲しみを運んでくれる 今年もめまいはやってきた 私に忘れないでと 遠くで囁くピエロの声 時は私に何時も 100万回毎のめまいを 時は私に何時も 悲しみを連れてくる
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