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「…………。迎えに……来たぞ………。」
留奈は、謁見の間でダークロードを見つけるとゆっくりと近づき、睨みつける。
「くっくっくっ。
ファハッハッハッハッ!!!
よもや、一人でこようとはな!
仲間はどうした!!」
玉座から立ち上がり、高笑いをするダークロード。
その瞳は漆黒に染まり、留奈を見下している。
「置いてきた。
お父さんは、何処だ………。」
「ん?
貴様の父か?
ならばここだ!!!」
ダークロードが手を掲げると謁見の間に明かりがつき、天井に吊り下げられた大きな鳥籠の中に弥の姿があった。
「お父さん!?」
留奈は飛び上がり、武器で鳥籠を落とそうとする。
「!?
うわぁっ!?」
だが鳥籠は、何らかの壁に阻まれており、留奈の体は弾かれ、地に落とされてしまう。
「魔法障壁を張らせてもらった。
留奈よ!
我は貴様と取引がしたい。」
「!?」
その言葉に戸惑う留奈。
不敵な笑みを浮かべ、右手で顔を隠すと左手で留奈を指差す。
「留奈よ!
我のものととなり、魔界へ来るのだ!
さすれば、貴様の父は貴様に返そうではないか。」
「!!!」
思わぬ言葉に困惑する留奈。
一瞬、きょとんとした表情をするもすぐに歯を食いしばり、武器を構える。
「いやだ!
魔界になんて行きたくない!!!」
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