3人が本棚に入れています
本棚に追加
「こちらが今現在の未成年犯罪率の統計グラフでございます。」
とある都内某所の暗い一室で、一人の若い男が片手にマイクともう片方には資料を持ちバックにある大きいスクリーン画面に映るグラフを背に発表した。
ここは国家特別法に関わる実行委員と上層部の人間が集まる一室。数はそれほど多くはない。
外部との接触や情報の漏れを防ぐ為手で数えるほどの人数しかいない。
「見ての通り、この特別法002号が発令されてから5年・・・前と比べると犯罪率は約5%低下しています。」
国家特別法002号。
それは、5年前まで未成年犯罪が当たり前だったこの国で解決策を考えた特別法
名称は剣道限定廃止政策。通称"chess game"である。法のお陰でこの国の治安は成り立ち子供からの脅威を防いでいた。
「特務官。確かにこのグラフを見ての通り減ってきてはいるが、ひとつ問題がある。」
「問題とは、大人の減少でしょうか?」
「そうだ、この法は大人も関わっている。この法で亡くなった大人は、独身はともかく家庭を持っているとこからは、沢山の意見がきている」
暗くて表情は伺えないが、威厳のある声がこの一室に響かせた。特務官と呼ばれた男は他にも参加されている上層部を一通り確認したあと、初めから返す言葉があったかのように口を開いた。
最初のコメントを投稿しよう!