26恋慕-3

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楚楚と、可愛らしい泣き方ができればいいけど、悲しいかな、涙がでれば自然と鼻水も出るもので。 涙と鼻水でグシャグシャになった自分の顔しか浮かばない。 ――うん。避けて通れるものなら、避けたいイベントだ。 「……もう挨拶しちゃったんだから、いいんじゃないかなぁ。ほら、私の実家、かなり遠いし」 そうそう。 改めて報告するのも、なんとなく恥ずかしいし。 内心、そう自分に言い訳をしていると、ニッコリと面々の笑顔で却下されてしまった。 「それはそれ、これはこれ。やっぱりこういうことは、きっちりケジメをつけないと。きちんと正座して『お嬢さんを私に下さい』ってやつを決めなきゃだろ?」 「……」 あはははと、浮かべた笑いが若干引きつる。 どうやら、イベントの一つは予定確定らしい。 その前に、目前に迫っている、もう一つの一大イベントがある。 『未来のオシュウトメさんと初顔合わせ』 私的には、こっちの方が重大だった。 ――第22話に続く――
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