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課長の爆弾発言は今に始まったことじゃないけど、これは、格別に、今までで一番大きな爆弾だ。
だって、昨日の今日。
気持ちが通じ合った次の日に、まさか結婚を申し込まれるなんて、思いもしなくて。
喜びよりも、驚きの成分の方が断然大きく、
「……」
すぐに反応できない私は、ただ、呆然と、課長を見つめ返した。
無言の私の反応を、どう取ったのか。
課長は、姿勢を正すと、もう一度、少しニュアンスを変えて、言い直した。
「俺と、結婚してくれませんか?」
「ええっと、あの……」
言い方に不満があったわけじゃないんですけど。
「うん?」
「その、おとうさまが決めた婚約者の方は……?」
どうするんでしょうか?
素朴な疑問を口にすれば、課長は私の反応の薄さの原因に合点がいったように、『ああ』と、うなづいた。
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