第1章

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キャンベラ市内巡りを一通り終えると、 バスはキャンベラ空港まで戻ってきた。 そこで待っていたのは4WDのジープである。 夕方4時過ぎのことである。 ジープに乗り込んだのは、 私たち夫婦と日本人の若者男女の計4人。  ジープはキャンベラ市内からひたすら郊外に向かってひた走る。 やがて日もとっぷり暮れる頃になるとジープは山道を登っていくようになる。 人家がないためかあたりは真っ暗で、 月明かりだけが妙に明るく感じられた。 後ろを振り向けば、 遥かかなたがうっすらと頼りなく明るくなっているのはキャンベラ市内の町明かりであった。
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