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「うん」
即答したヒロは自分でも驚いたように目を丸くしている。
私はヒロの迷いのない返事にこの女との差を感じて諦めなければと意識しながらもどうしても言わずにいられなかった。
「私、ヒロが好き。別れたくない……」
結果はもう見えていたのに。
だだをこねるように泣きじゃくる私。
ヒロは、戸惑っているけれど何も言わない。
そんな私達を見かねて女が強行手段に出た。
「ヒロ、マユリちゃんが別れやすいように今この場でキスして見せてあげよっか?」
そのふざけた言葉にびっくりして顔を上げた私の世界は一瞬で真っ暗になった。
ヒロが迷うことなく私の目の前で女と唇を重ねたから。
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