悪魔の妹『フランドール・スカーレット』

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気を抜けばやられる―… 一度大きく深呼吸をしてから、再びフランを見据える 四人のフランは変わらず不気味な笑みを浮かべている 「―…こい」 両手に持った刀をフランに向け、そう呟く ヤらなければヤられる――ただこの場を生きて切り抜ける事だけを考えろー… 「「「「―サァ…ドコマデ耐エラレルカナ…?」」」」 四人のフランはそう言い放ち別々に動き始める 一人は先程の様に赤色に光る玉を無数に放ちー… 一人は先程よりも大きな玉を俺に向けて放ちー… 一人は細長いレーザーの様な玉を放ちー… 一人は時計の針を思わせる様な作りのモノを振りかぶりながら接近してくる―… 四人は当然別々に攻撃してくるため 回避出来るルートは逐一変化を見せ、此方の思考を混乱させるー… (―1対4とか不利にも程がある…だが…) ―泣き言を言ってる暇はない 刹那ーー接近してきたフランが時計の針を思わせる剣を俺に向けて振るう 俺はそれを右手の黒刀で受け止め そのまま黒刀を力で振り抜き、フランを弾き飛ばす そして、自分に向かってくる三種類の玉に向かい左手の"雷切"を右腰の位置で居合いの様に構えー… 「―…はぁっ!」 そう叫びながら居合いの様に振り切る すると、刀から雷撃が生まれ 向かってくる玉に接触し、誘爆させていた しかし、全ての玉を打ち消せる訳はなく それこそ無限の様に向かってくる 俺は最小限の動きで玉をかわしたり、刀で弾いたりしながら 思考を巡らせる―… (―このままじゃキリがない…一体どうすれば…) そんな考えを巡らせながら玉を避けていると、視界の端に影が写る それは先程弾き飛ばした剣を持ったフラン 油断をしていたわけではないが、三人のフランの弾幕に気をとられて接近に気づくのに遅れてしまったー…
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