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「―隙アリ…ダヨッ!」
フランは楽しげにそう叫びながら
剣を俺の心臓目掛け突き出してきた
俺は咄嗟に左に全力で跳び
剣の狙いを少しでも心臓からずらそうとした
「―…ぐっ!?」
しかし、反応が遅れた為、完全にかわしきれず右腕を剣がかすめていき
鮮血が宙に舞うー…
フランの剣はその意外な形からか、俺の腕を斬るのではなくえぐるようにかすめていった
俺は傷みで顔を歪めながら、次の攻撃を警戒する為
フランの方に顔を向ける―…
フランは変わらずクスクスと不気味な笑みを浮かべ、此方を見据えていた
「―シブトイネ…デモモウ限界カナ?」
俺を斬りつけたフランはそう言って
剣についた俺の血を舐めていた
えぐられた右腕からは血がゆっくりと溢れている
傷の影響か右腕にうまく力が入らない―…
このままじゃ―
(―確実に…ヤられる…)
右腕を庇いながら4人を相手にするのは至難の技だ
どうにか1人に戻すことが出来ればー…
「―勝機は…ある…」
俺はそう呟きながら
前方に居る4人のフランを見据える
4人のフランは全員、時計の針を思わせる剣を片手に、不適な笑みを浮かべている
その内の1人の手には先程のカードが一枚握られていたー…
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