悪魔の妹『フランドール・スカーレット』

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「―…がっ!?」 後方のフランによる弾幕に対応が間に合わず、腹部に数発被弾してしまい後ろへと吹き飛ばされ、背中から地面に倒れ込んでしまった 腹部と右腕の痛みに耐え、すぐ様次の攻撃に備えようと顔を上げる だが――目の前に炎に包まれた剣を振り上げるフランが視界に入るー… 「―トドメダヨ!」 フランは楽しげに笑いながら、そう叫び剣を振り下ろすー… 刹那――俺の視界がスローモーションになる フランが剣を振り下ろしきれば俺の体を切り裂かれ、確実に絶命するだろう この絶体絶命の状況の中、不意に俺の頭の中に声が響いていたー… 『―死にたくはないだろ?』 そんなの当たり前だ 死にたくなんてない 『―じゃあどうすれば死なずにすむ?』 どうすれば? 『―簡単だろ?目の前に"敵"が居るから殺されそうになる…だったら』 ―そうだ…簡単じゃないか 殺されそうになるならその目の前の"敵"を―― 『――"全て斬り伏せればいい"』 そう頭の中の声が呟いた瞬間 俺の中で何かがはじけた―… 迫り来る炎の剣ー… その剣を左手に握られた"雷切"で瞬時に受け止める そして―― 「―……エッ…」 右手に握られた黒刀を目の前のフランの胸目掛け、全力で突き出す フランは一瞬何が起きているのかわからないような声をあげたが、胸に突き刺さる黒刀を見てー… 「―ソンナ…」 信じられない様な声を上げ、ゆっくりと霧の様に消えていった どうやらこのフランは最初のカードによって生み出された分身だった様だ 俺は霧の様に消えていくフランを見据えながら、ゆっくりと立ち上がり前を見据える そこには今起こったことが信じられない様な表情を浮かべた3人のフランの姿―― 「―あと…3人…」 俺はそう呟きながら 刀を構え3人のフランに向かい駆け出していたー…
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