プロローグ

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昔の夢を見た―… 忘れたくとも忘れられない昔の出来事ー… 昔の自分は、ただ周りに認めてもらう事で頭が一杯だった だから自分の"した事"は正しいのだと信じていた――いや、思い込ませていた 自分の"した事"で周りの反応は自分の想像していたものとは違いすぎていた 疑念・憤怒――そして"恐怖" 自分の周りに居た者はそんな感情で俺を見ていた だけど俺は自分の"した事"は間違っていないと自分に言い聞かせて、その場から出ていった――いや、逃げ出した 自分の"した事"によって『目的』は果たせた――だが、それ以上に大切な"モノ"を失ってしまった この場所にもう俺の居場所はない―… だが出ていったところで行く宛もなく、出ていく事を周りが許さないだろう それが"次期当主"としての責任と使命ー… 結果、自分で自分の首を絞め逃げ出す事も出来ず、周りの冷たい目から耐える日々が始まった―… 場面は変わり、自分の"した事"から数ヵ月後 あの日からただ同じことを繰り返す日々―… 朝、いつもと同じ時間に目を覚まし、学校に行きいつもの様に授業を受け、終われば家に帰って1人でご飯を食べ、風呂に入りいつもと同じ時間に寝るー… そんな張り合いの無い日々―… 自分の"した事"に疑問なんて抱かなかった 『目的』は達成した 周りに力を示す事も出来た しかし、全てが思い描いてモノとは違いすぎた そんな日々が自分の思いを揺るがしていた 「―俺は……間違ってなんかいない…」 夢の中の自分が唇を噛みしめ、そんなことを呟いていた 願わくは―見知らぬ土地で全てを0からやり直したいーーそんなことを思いながらー…
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