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俺はもう燃えていない腹部に刺さったフランの剣を掴み、それを一気に引き抜く
剣を引き抜いた腹部に激痛がはしり、
血が吹き出るが顔には出さないように意識する
そんな俺の行動に驚いた様な表情を浮かべ顔を上げるフランに、俺は優しく笑いかける
そして部屋に入ってきた時に感じていた殺意を全く感じないーーフランの頭を優しく撫でる
「―でも…フランの目には…孤独以外…にも……見てとれた…だから…」
そして俺はそう言ってから、フランからゆっくりと離れる
血を流しすぎたのか――視界が霞み始めた
それは死に近づいていく感覚ーー今まで一度も感じた事はないが、間違いないだろう
そしてフランから離れた俺の体は、ゆっくりと後ろに倒れていきーー
「―死ぬのは…俺で……いい…」
俺はそう言って地面に倒れ込む
その時、フランが何か言って手を伸ばしてきたがそれは俺の耳には聞こえず、俺の意識はゆっくりと深い闇へと落ちていくのだったー…
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