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そんなことを考えていると、咲夜は一度俺の方を確認してから扉を二回軽くノックしていた
「―お嬢様…例の人間を連れて参りました」
「―入りなさい」
扉をノックした咲夜の言葉に対して、すぐそう返事があった
部屋の中から聞こえてきた声は幼さを感じさせるが、威厳と威圧感も感じ取れた
何故だが解らないが異様に緊張する―…
「―失礼いたします…」
咲夜はそう言ってゆっくりと扉を開き
中に入っていった
そして咲夜の後に続き、部屋の中に足を踏み入れる
部屋の内装は俺が寝ていた部屋よりも一回り大きく、色々な物が置いてあるが壁や天井の装飾は変わらず、紅かった
一通り部屋を見回していたがある一点に視線がいった瞬間、俺はそこから視線を動かす事が出来なかった
視線の先にはフラン程の身長で
白を基調にした服と帽子に身を包んだ蒼髪の少女が此方を微笑みながら見据えていた
だが、俺の視線は少女の背中ーー対に存在する蝙蝠の様な黒い翼から外すことが出来なかった
ただ少女が人間ではないーーそれだけはその翼と雰囲気から感じ取れていたー…
「―よく来たわね…私は"レミリア・スカーレット"…この紅魔館の主よ」
目の前の黒い翼の少女ーーレミリアはそう自己紹介し、俺の目を真っ直ぐと見据えていた
俺はその目に一瞬たじろいだが、小さく深呼吸をして気持ちを落ち着かせるー…
「―片倉…拓哉です」
それから俺はそう自己紹介をして、軽くレミリアに頭を下げる
その後、レミリアに言われるまま案内された椅子に腰掛け、レミリアと向かい合う
レミリアはずっと笑みを浮かべているがーーそれが逆に不気味だったー…
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