幻想入り

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「―ん…」 ふと、目が覚めたー… ゆっくりと目を空け、いつもの様に体を起こそうとする しかしー… 「―…え…?」 何かがおかしいー… 自分はいつもの様に布団で寝ていた筈 だが体を起こそうと手をついた時の感触はいつもの毛布ではなく――湿った土の感触 俺は慌てて体を起こし、回りを見渡す そこはいつもの自分の部屋ではなく――ずっと先まで木が続いている、森だった 「―…どういうことだ…?」 混乱する頭を何とか働かせて、自分の状況を整理する 俺はいつも通り自分の部屋で寝た筈 だが起きたら見知らぬ場所で寝ていた (―"対勢力"による拉致…?…だがそれだとこんな場所には…) 俺が一番に疑ったのは拉致・誘拐の線だった だが拉致ならばこんな何もない森に置いておくのは不都合過ぎる 拉致の途中で何か"アクシデント"があった線も捨てきれないが―… (―…情報が少なすぎる…でも…) 何にせよ情報が何もない 自分に何が起きたのか判断し、対応する事が出来ない そんな時ー… 「―…ん?」 地面を注意深く見ていると見覚えのある物がー… 俺はゆっくりとそれに手を伸ばす 「―これは…俺の携帯?」 手にとったのは自分の携帯 寝るときは枕元に置いてた筈だが―…
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