幻想入り

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俺は目の前の門をくぐるため門に手を置き軽く押す 鍵がかかっているかも――等と予想していたがそれは杞憂に終わり 門は意とも簡単に開いた そのまま門を抜け、館に入るための扉の前に立つ そして、扉を二回ノックしー… 「―すいません!誰か居ませんか!」 少し大きめの声でそう叫んだ 何も言わずに入るのには抵抗があったためそんなことをしたのだがー… (―無反応…か…) その声に答える声はなく、屋敷からは物音すらしない そんな状況に軽くため息をつきながらポケットから携帯を取り出し開く 「―こんな時間なら仕方ないか…」 開いた携帯の時刻表示は2時を回っていた この時間なら誰も起きてないのは仕方ないことか かといって勝手に中に入るのは――そもそも鍵がかかっている可能性がある そんなことを思いながら何気なくドワノブに手をかけて回す するとー… 「―…あれ?」 扉はすんなりと開いた この時間に玄関の鍵が開いているのは不自然だがーー俺にとっては有難い事なのだろうかー… 若干、気が引けたが濡れたまま外に居ては体が冷える一方だ 雨風を凌ぐため――そう自分に言い聞かせて扉をゆっくりと開いた そして開いた扉から一歩、屋敷の中に踏み入れる 「―お邪魔します…」 誰にも聞こえていないだろうが一応そう言って 入ってきた扉を閉める 屋敷に入ってすぐ目に入ったのは大きなホールと所々の壁に設置されているロウソクが怪しく灯っている光景だった (―中も海外みたいな印象だな…まぁ、雨宿り出来るなら何でもいいか…) そんなことを思いながら ゆっくりとホールの中央に向かい辺りを見渡す 辺りを照らすのはロウソクの光だけなので 薄暗い空間が広がっている そんな中、回りを見渡していると奥へと続く通路を見つけた 外から見た感じ大きな屋敷だろうが勝手に中を歩き回るのは気が引けるがー… (―タオルとかあれば貸してもらいたいし…少し位見てまわってもいいかな…) そんな自分勝手な考えをまとめ 奥へと続く通路に向かう 初めて見る場所を探検する様な気分で―…
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