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「―迷ってるし…気になるな…」
俺はそんなことを呟きながら携帯を取り出す
そして携帯に附属されているライトをつけて地下に続く階段を照らしながら
一歩一歩降りていく
そのまま暫く階段をライトで照らしながら降りていくと
階段の終わりが見える
「―これは…鉄製の扉…?」
階段を降りきると少し広いスペースがあり、その先には大きな鉄製の扉がたたずんでいた
まるで何かを隠すように――その扉は存在していた
俺は暫くその扉を眺めていたが
眺めていても何かが変わるわけなく
ゆっくりと扉のノブに手をかける
刹那―…
「―…!?」
ノブに手をかけた瞬間、身体中を寒気が駆け抜ける
雨で体が冷えていたからではない―
その原因は鉄製の扉の先からの気配
それは混じりっ気のない純粋な――殺気
身体中から汗が吹き出す
本能が警告しているーー開けてはいけない、とー…
だが手を離すことが出来ない
何故かは判らないがこの手を離してはいけないと思っていた
ノブを握る手は微かに震え
息は切れ、肩で息をしていた
「―…ふーっ…」
俺は目を閉じ、ゆっくりと息を吐き気持ちを落ち着かせる
そして決心し、目を開きゆっくりと扉を開くのだった―…
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