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「申し訳なかった!」
気がつくと目の前に金髪の若い男がいた。
その男は俺を一瞥するとすぐに土下座へと移行した。
さて、何が起きた?
周りを見渡しても特に……、いや何もない。
あるものと言えば男の座っていた椅子ぐらいで後は一面の白。いや、見なかったことにしていたが男の頭を踏みつける銘の姿もあった。
自分を見ると古代ローマ人のような薄い布を巻いたような服装をしている。これは銘も似たようなものだ。
さぁ整理。
俺たちは死んだ……これは多分確定。
てことはここは死後の世界……これも多分確定。
で、この男は神様。上が確定ならほぼ確定だろう
まぁ死後一番で会うなら閻魔または金髪だからハデスだろうか。案外死神なんかかもしれない。
「まずは自己紹介からさせてくれ。わたしはこの世界の創造神だ」
銘の踏みつけから逃れた彼は服(俺たちと違いスーツのように見える)をはたき、キリッとした表情でこちらを向く。
銘は俺の隣までぴょんと戻ってくる。
「大穴のイザナギさん来ましたー」
「違うよ日本神話だと世界は元からあるんだよ?」
ツッコむべきはそこなのだろうか。違うだろうな。
「で、創造神さまがこんな一般人の前になんで姿を表すんだ?冥界のジャッジなら冥界神とかのはずだろ?いや俺らが勝手にそう認知してるだけかもだけどな」
「いや、そこには複雑な事情があるんだ」
「長いと銘が眠るから一文にまとめろ」
「えぇっと、『間違えて死ぬはずのない君たちを死なせちゃった☆』」
とりあえずぶん殴っといた。
あまりにも酷い理由である。異世界転生とかでよくある話だが二人まとめては間違えすぎだろう。
そして銘はその倒れた神様のスーツを引き裂いて素肌を露にする。
実に銘らしいやり方だ。
「待って!?殴られるのはわかるけどなんで服を破られるの!?」
「ムカついたから貞操を奪おうと思って!」
「ごめん理解できない!イミワカンナイ!」
「銘、そいつの股間もいでやれ」
「なんなのこの兄妹!もうヤダ帰りたい!」
軽く泣き出したため慌てて銘を止める。神様泣かせたとか考えたくない。
「で、間違えたからなんだ?異世界転生か?」
「うん、さっき主人公君も送った世界にね。一応お詫びとして向こうの言語を完璧に理解できるようにはするし、魔力とかもちゃんとあげるから」
「おっぱ「膨らまないだろうよ」チッ」
「アハハ……、ごめんね?今の体のまま送るからそういうのは……ね?」
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