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「はぁ……、なんかスマン」
「神様に敬語使わないとか性的暴行とかスゴいね君たち。珍しいほど傍若無人だよ。常識人とは思えないって」
「こいつが常識を持っているとでも?」
「可愛い子ください」
「持ってなかったねごめん」
神様も苦労が絶えなさそうである。ここまで歪むと誰が予想できたのか。
ましてそれが自分に来ると予想できるわけもなかったろう。
「で、いつになったら行けるんだ?」
「君たちの準備が整ったらいつでも行けるよ。一応大きな町の近くの森に転送するよ。町中でいきなりってのも騒ぎになるし」
「助かる。俺たちはどうすればいい?世界でも救えばいいのか?」
「いやいや!ふっつーに暮らしていいよ。さっきの主人公君は勇者として転生させたけど君たちはあくまでミスだからね。平和な日常を過ごして充分。まぁ、ギルドとか入ったら世界を救うことに巻き込まれるかもしれないけど、それも含めて自由だよ。思いっきり第二の命を楽しんでね!」
遠回しに瑞季は故意にでしたとか言ってるが気にしない。主人公だから仕方ないね。
「そうか。よし、銘。好き放題していいらしいぞ」
「マジで!?」
「いやっ、あのっ、向こうにもちゃんと法律とか色々あるからね……?」
銘はまた胃が痛みそうな神様を完全に無視して頭の中でろくでもないシミュレーションを始める。
やはり銘と神様の相性はすこぶる悪そうだ。ここまで来るといっそ可哀想である。
はぁ……、と俺はため息を吐きしかたなく神様を助ける。
「銘、準備は出来たか?」
「あっ、はーい!」
「ありがとう……、あぁ……」
痛くて苦しそうだ。そして銘に怯えてる。可哀想に。知ったこっちゃないが。
そのとき、視界が朧気な光に包まれてゆく
「じゃあ、健やかに過ごしてね」
「また来たら今度こそ貰うよ!」
「二度と来させないよう頑張れ」
最後に見えたのは神様の笑えてない笑みだった。
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目を覚ますと今度は森の中だった。どうやら成功したらしい。
隣には銘が横たわっている。まだ寝ているようでやらしい笑みを浮かべている
そして、立ち上がろうとして。
何かがおかしい。と気がつく。
なんで木がこんなにも大きいんだ……?
なんでたった高さがこんなに小さいんだ……?
なんで……
なんで銘がこんなに大きいんだ?
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